わからないはもう終わり!塾の先生への「質問の仕方」
なにを質問すればいいのかわからない?
「先生、この問題が分かりません」——。君が塾で何気なく口にしている、その一言。実は、成績が伸びる生徒と伸び悩む生徒を分ける、決定的な「差」が隠されているとしたら、どうしますか?
多くの生徒は、質問を「ただ分からないことを聞く行為」だと思っています。しかし、それは大きな間違いです。賢い質問は、君の思考力を鍛え、講師から質の高いアドバイスを引き出すための最強の武器なのです。
この記事を読み終える頃、君は「何となく分からない」状態から脱却し、「自分の弱点を的確に特定し、解決への最短ルートを自ら見つけ出す質問力」を手に入れているでしょう。受け身の学習を終わりにし、塾を120%活用する主体的な学習者へと進化する。そのための、最初の授業を始めます。
質問の”もったいない”間違い
本題に入る前に、多くの生徒が陥っている「もったいない質問」の典型例を3つ紹介します。もし一つでも当てはまったら、それは成績アップのチャンスを逃しているサインです。
1. 「ぜんぶ分かりません」という丸投げ型
思考停止の典型です。これでは講師も、どこから手をつけていいか分かりません。結局、問題の解き方を最初から解説するだけになり、君の「なぜ、どこでつまずいたのか」という根本原因は解決されないままです。
2. 「答えだけ教えてください」という結論急ぎ型
宿題を終わらせたい気持ちは分かります。しかし、答えだけを知っても、テストで類題が出た時に解けるようにはなりません。最も重要な「考えるプロセス」を自ら放棄している、非常にもったいない行為です。
3. そもそも質問しない「遠慮・だんまり型」
「こんなこと聞いたら恥ずかしい」「先生が忙しそう」という気持ちから、分からない点を放置してしまう。これは、自分の弱点にフタをして、問題を先送りしているに過ぎません。
これらの質問は、時間と労力をかけて塾に通っている価値を、自ら下げてしまっているのです。自分のことだと感じたなら、今日がそれを変える絶好の機会です。
正しい質問の仕方・聞き方とは
では、どうすれば「賢い質問」ができるようになるのか。答えはシンプルです。これから紹介する「質問準備の3ステップ」を実践するだけです。この3つの手順を踏むことで、君の質問は劇的に質が上がり、学習効果は何倍にも跳ね上がるでしょう。
具体的な手順(目的とコツ付き!)
ステップ1:質問の「解像度」を上げる
How:質問する前に、「どこまでは理解できて、どこからが分からないのか」の境界線を明確にする。
例:「この長文の3行目までは訳せたのですが、この”which”が何を指しているのか分かりません」
【目的】
自分の思考を客観的に分析する訓練です。「分からない」という漠然としたモヤモヤを、「ここが分からない」という具体的な課題に変えることで、講師は君の弱点にピンポイントでアドバイスができます。
【実践のコツ】
解説や自分のノートをもう一度見直し、「OK」「?」を書き込んでみましょう。疑問点にマーカーを引くだけでも、思考が整理されます。
ステップ2:「自分の仮説」をセットで伝える
How:分からない点に対して、自分が「こう考えた」「こう試してみた」というプロセスを正直に伝える。
例:「この計算問題で、分配法則を使ってみたのですが、答えが合いませんでした。やり方が間違っていますか?」
【目的】
君の「思考のクセ」や「勘違いの根本原因」を講師に伝えるためです。これにより、講師は単なる解法だけでなく、「なぜ君がその間違いをしたのか」を指摘し、本質的な学力向上に繋がる指導ができます。
【実践のコツ】
たとえ完全に間違っていても構いません。むしろ、間違いこそが君の弱点を教えてくれる最高のヒントです。計算用紙やノートをそのまま見せながら質問するのが最も効果的です。
ステップ3:「次の一手」を確認して終える
How:解説を理解した後、「では、このパターンの問題を解けるようにするには、何をすればいいですか?」と具体的な次のアクションを尋ねる。
例:「理解できました。定着させるために、テキストの何ページにある類題を解くべきですか?」
【目的】
質問を「その場限りの解決」で終わらせず、「自学自習に繋げる」ためです。これにより、受け身ではなく、主体的に学習計画を立てる意識が芽生えます。
【実践のコツ】
日頃から自分の使っている問題集や参考書を持参し、すぐに書き込める状態にしておきましょう。「次にやること」が明確になれば、モチベーションも維持しやすくなります。
質問するときのの壁と乗り越え方
分かっても、いざ実践となると「やっぱり恥ずかしい」「先生が忙しそうで声をかけにくい」といった壁にぶつかるかもしれません。しかし、少し視点を変えてみてください。
👉 塾講師からのアドバイス
我々プロの講師は、「良い質問をしてくる生徒」を記憶します。それは、その生徒が本気で学ぼうとしている証だからです。遠慮は、君のやる気を講師に伝える最大のチャンスを奪っています。忙しそうに見えても、本気の質問はいつでも大歓迎なのです。
この質問法を実践し始めた君は、講師から「お、いい質問だね」「よく考えてるな」と認められるようになります。すると、質問することが楽しくなり、自信がつく。この「成功体験のループ」こそが、成績を飛躍させる原動力となるのです。
【塾講師直伝!】さらにライバルに差をつける質問テクニック
基本の3ステップをマスターしたら、次は「要約&確認質問」に挑戦してみましょう。これは、講師の説明を聞いた後に、「つまり、先生のお話は〇〇という理解で合っていますか?」と自分の言葉で要約して確認するテクニックです。
これをすると、自分の理解が正しいかを最終チェックできるだけでなく、分かったつもりになるのを防ぎ、知識の定着率を極限まで高めることができます。これができれば、君はもう質問の達人と言えるでしょう。
よくある質問
質問したいことがたくさんある場合はどうすればいいですか?
素晴らしい意欲です。その場合は、質問に優先順位をつけましょう。まずは「今日の学習を進める上で、最も妨げになっているもの」から解決するのが鉄則です。リストアップして、講師に「今日はこの3点について聞きたいです」と最初に伝えるのも良い方法です。
まとめ
「賢い質問」は、才能ではなく技術です。今日学んだ3ステップを意識するだけで、君の学習効率は劇的に変わります。
1. 質問の「解像度」を上げる(どこが分からないか明確に)
2. 「自分の仮説」をセットで伝える(どう考えたか示す)
3. 「次の一手」を確認して終える(次何をすべきか聞く)
大切なのは行動に移すことです!
【次にすること】
今日の宿題や勉強で「分からない」と思った問題を一つだけ見つけてください。そして、その問題の横に「どこまで分かって、どこからが分からないのか」を一行だけ書き出してみましょう。
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