【塾講師が考える】塾の先生と「合わない」と感じた時にどうするべきか

塾の先生と合わない

「塾の先生の教え方が分かりにくい」「なんとなく質問しづらい」「性格が合わない」…。
こうした悩みを抱えながら、貴重な時間を無駄にしていないでしょうか。親に言っても「あなたの我慢が足りない」と言われそうで、一人で抱え込んでいるかもしれません。

この記事は、そんなあなたのためにあります。これは単なる愚痴の聞き流しではありません。塾講師として、その「合わない」という感覚を分析し、具体的な行動に移すために様々な情報を提供します。

この記事を読み終える頃、あなたは「合わない」という感情に振り回される状態（Before）から、
自分自身で学習環境を最適化し、主体的に成績を伸ばすための行動を起こせる状態（After）になります。

先生と合わないときのよくある”もったいない”間違い

先生と合わないと感じた時、中学生が陥りがちな「もったいない間違い」が3つあります。

1. 「自分が悪い」と我慢し続ける
「分かりにくいのは、自分の頭が悪いからだ」「質問できないのは、自分の勇気がないからだ」と、すべて自分に原因があると決めつけ、ただ耐える。これは最も危険です。成績が上がらないだけでなく、勉強そのものへの自信を失います。

2. 感情的に「塾をやめる」と決断する
「あの先生が嫌だから、もう塾に行かない」と、感情的に判断してしまう。その先生一人が原因なのに、塾全体の学習システムや他の良い面まで捨ててしまうのは、あまりにも短絡的です。

3. 愚痴を言うだけで、何も行動しない
友達や親に「先生が最悪」と愚痴をこぼすだけ。一時的にスッキリはしますが、問題は何も解決しません。状況は悪化する一方です。

あなたのことだ、と感じたなら、今がやり方を変えるチャンスです。必要なのは「我慢」や「感情」ではなく、「分析」と「戦略」です。

塾の先生が苦手な時どうするべきか

この状況を打開するためのロードマップは、非常にシンプルです。たった3つのステップで構成されています。

ステップ1： なぜ「合わない」のかを分解・分析する
ステップ2： 分析結果に基づき、小さな「行動」を起こす
ステップ3： 客観的な事実に基づき、「最終判断」を下す

感情論で動くのではなく、一つひとつ論理的に問題を解決していきましょう。この手順を踏めば、あなたは後悔のない選択ができます。

先生と合わないときの対処法

ここからが本題です。各ステップの「目的」と「実践のコツ」を明確に解説します。

ステップ1： 「合わない」を分解・分析する

ステップ2： ギャップを埋めるための「行動」を起こす

実践のコツ：
塾講師も人間であり、あなたの「分からない」というサインに気づいていないだけかもしれません。勇気を出して一度、具体的に要望を伝えてみてください。あなたの真剣な質問を無視するプロはいません。もし無視するなら、それは別の問題です。

ステップ3： 客観的な事実に基づき、「最終判断」を下す

よくある質問と乗り越え方

この戦略を実行する上で、多くの生徒がぶつかる壁があります。

壁： 「先生本人や、塾の責任者に『変更したい』と伝えるのが怖い」

乗り越え方：
この恐怖は、あなたが「文句を言う」と思っているから生じます。そうではありません。あなたは「交渉」をしに行くのです。
伝える時は、必ず「自分は成績を上げたい」という前向きな意志を主軸に置いてください。

（悪い例）：「あの先生の授業は分かりにくいし、嫌いだから変えてください」
→ これでは、ただのわがままや愚痴だと思われてしまいます。

（良い例）：「私は本気で〇〇高校に合格したいと思っています。ですが、今の授業では〇〇（具体的な事実）が原因で、理解が追いついていません。ステップ2の行動も試しましたが、改善が難しいと感じました。成績を上げるために、別のクラス（または先生）を検討していただくことは可能でしょうか？」
→ これなら、あなたの真剣さが伝わり、塾側もプロとして真摯に対応せざるを得ません。

この交渉を乗り越え、自分に合った環境を手に入れた時、あなたは勉強が驚くほどスムーズに進む感覚を味わうでしょう。それは「我慢」ではなく「行動」によって得られた、あなた自身の成果です。

ライバルに差をつける先生の活用テクニック

「良い先生」という幻想を捨てる

多くの生徒が「優しくて、面白くて、分かりやすい先生」を「良い先生」だと思っています。もちろん、それも一つの要素ですが、本質ではありません。

あなたにとっての「本当に良い先生」とは、「あなたの弱点を正確に見抜き、それを克服するための最短ルートを示してくれる先生」です。

たとえ、その先生が厳しく、授業が面白くなく、少し性格が合わないと感じたとしても、その先生の指導に従った結果として、あなたの模試の点数が上がり、できなかった問題が解けるようになっているのなら、その人はあなたにとって「最高の教師」です。

逆に、どんなに楽しくて優しい先生でも、成績が全く上がらないのであれば、それは「仲の良い友達」でしかなく、プロの講師ではありません。

「合う・合わない」という感情的なフィルターを一度外し、「自分は、この先生から何を学べているか？」「結果は出ているか？」という客観的な視点を持つこと。これが、ライバルに差をつける最も重要な思考法です。

まとめ

先生と「合わない」と感じた時、我慢したり、逃げ出したりする必要はありません。それは、あなたが成長するための「環境見直しのサイン」です。

1. 曖昧な感情を「具体的な問題」に分解する。
2. 改善のために、自分から小さな行動（質問の仕方を変えるなど）を起こしてみる。
3. それでもダメなら、事実に基づき、冷静に「環境の変更」を交渉する。

この論理的な手順が、あなたを「受け身の生徒」から「主体的な学習者」へと変貌させます。

【今日の最初の一歩】
まずは今日、塾から帰ってきたら、ノートに「合わない」と感じる先生の「具体的な行動」を、たった一つで良いので書き出してみましょう。
（例：「解説の時に、答えしか言わない」）

その小さな分析が、あなたの未来を大きく変える第一歩となります。