【塾講師が解説】映像授業は意味がないのか?映像授業の効果を最大化する受講術
映像授業の受け方は?
今、多くの高校生が映像授業を活用していますね。しかし、その多くが「ただ眺めているだけ」「ノートを写す作業になっている」という状態に陥っていないでしょうか。
映像授業は、「受け身」で受講すれば効果はゼロに近く、「攻め」の姿勢で受講すれば最強の学習ツールになります。この記事を読めば、あなたは「なんとなくわかった気」になるだけの受講生(Before)から、映像授業の内容を完璧に消化し、模試の偏差値に直結させる受講生(After)へと変わることができます。そのための論理的な戦略を、今からすべてお伝えします。
映像授業の”もったいない”受け方
まず、今の自分のやり方が当てはまっていないか、厳しくチェックしてください。
1. 「とりあえず再生」してしまう:
授業のテーマも、今日のゴールも確認せず、いきなり動画を再生していませんか?それは、地図も持たずに登山を始めるようなものです。
2. 「ノートを写すこと」が目的になっている:
先生が書いた板書を、一時停止しながら必死に写す。その作業に満足して、肝心の「なぜそうなるのか?」という思考が停止していませんか?
3. 「一時停止」と「巻き戻し」を使わない:
対面授業と同じ感覚で、分からなくても「まあいいや」と流してしまう。映像授業最大のメリットを自ら捨てている、非常にもったいない行為です。
一つでも当てはまった人は、今すぐやり方を変える必要があります。成績が上がらない原因は、あなたの能力ではなく、この「非効率な受講法」にあるのです。
正しい映像授業の受け方について
映像授業を「最強の武器」に変える方法は、驚くほどシンプルです。それは、「予習」「受講」「復習」の3ステップを、それぞれ正しい目的意識を持って実行することに尽きます。
これから、単なるテクニックではなく、「何のためにそれを行うのか」という本質的な理由とセットで、具体的な手順を解説します。この全体像を意識するだけで、あなたの学習効率は劇的に変わるでしょう。
具体的な手順(目的とコツ付き)
Step 1.【0次予習】授業の「地図」を手に入れる
目的: これから何を学ぶのかを把握し、授業中に「聞くべきポイント」を明確にすること。
How(何をやるか): 授業に対応する教科書やテキストの範囲に、5分だけ目を通します。深く理解しようとしなくて構いません。「知らない単語」「理解できなそうな公式」に軽く印をつけるだけで十分です。
コツ: この段階で理解しようと時間をかけすぎないこと。「何がわからないか」を把握することがゴールです。
Step 2.【積極的受講】「思考」を止めない
目的: 授業を「作業」にせず、常に頭を動かし続け、講師の思考プロセスを盗むこと。
How(何をやるか): 講師が「なぜ?」を説明し始めたら、手を止めて画面に集中します。そして、「なるほど、そういうことか」と声に出して相槌を打つ、あるいは小さく頷くことを意識してください。
コツ: 板書はすべてを写す必要はありません。講師が強調した「キーワード」と「論理の流れ(矢印や理由)」だけをメモする意識を持ちましょう。
👉 塾講師からのアドバイス
映像授業で最も危険なのは「分かったつもり」です。これを防ぐ唯一の方法は、「一時停止」を恐れないこと。講師が問いかけた瞬間、答えを言う前に一時停止し、自分の頭で答えを考えてください。その「1秒の思考」の積み重ねが、本物の思考力を育てます。
Step 3.【即時復習】「使える知識」に変える
目的: 授業で得た「短期記憶」を、忘れる前に「長期記憶」に移し替え、問題が解けるレベルまで引き上げること。
How(何をやるか): 授業が終わったら、10分以内に、関連する基本問題を1問だけ解いてください。解けなければ、すぐに授業の該当箇所を1.5倍速などで見返します。
コツ: 授業の「まとめノート」を綺麗に作ることより、1問でも多く「アウトプット(演習)」することが重要です。記憶は、使わなければ消えていきます。
よくある質問と乗り越え方
この話をすると、多くの生徒が「全部やると時間がかかりそう」「面倒くさい」と感じるようです。これが典型的な「実践の壁」です。
しかし、考えてみてください。現状の「非効率な受講」を10時間続けても成績は上がりません。一方、「戦略的な受講」を5時間行えば、成績は上がります。あなたはどちらを選びますか?
乗り越えるコツは、「完璧を目指さない」こと。まずは「予習で教科書を眺める」だけでも構いません。その小さな変化が、授業中の集中力を劇的に変えます。一度、「あ、予習したところだ!」という体験をすれば、その効果を実感し、継続できるようになるでしょう。
ノートは取らなくても良いのですか?
いいえ、ノートは取るべきです。ただし、「板書を写すノート」ではなく、「自分の思考を整理するノート」を取ってください。講師が言った重要なポイント、自分が「なるほど」と思ったこと、後で復習が必要だと感じた疑問点などを、自分なりの言葉でメモするのです。教科書に書いてあることを丸写しする時間に価値はありません。
ライバルに差をつける映像授業受講のテクニック
映像授業の機能として「倍速再生」があります。これを「時短」のためだけに使うのは危険です。
初めて学ぶ内容を倍速で聞くのは愚策です。理解が追いつかず、結局「分かったつもり」を加速させるだけだからです。しかし、倍速機能は「復習」において最強の武器となります。
一度理解した内容の確認や、Step3の「即時復習」で解けなかった箇所の見直しには、1.5倍速〜2倍速を積極的に使いましょう。これにより、復習の回転率が格段に上がり、知識の定着スピードがライバルと圧倒的な差になります。
まとめ
映像授業の効果は、「受け方」次第で天と地ほどの差が出ます。
1. 【予習】 5分でいい。授業の「地図」を手に入れる。
2. 【受講】 手を動かすより「頭」を動かす。一時停止を恐れない。
3. 【復習】 10分以内に「1問」解く。知識を使って定着させる。
すべてを完璧にこなす必要はありません。まずは、この記事を閉じた後、次に受ける映像授業で、「予習として、教科書の該当箇所を眺め、わからない単語を3つだけ見つけてみる」こと。これが、あなたの成績を逆転させる「最初の一歩」です。


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